環境を制御する外皮
~4種類のファサード

画像:LACの3つのファサード
LACの3つのファサード

LACのファサードは、ウィングが屋外に直面する側のダブルスキン(図のA部)とウィンターガーデン側ファサード(同B部)、ウィンターガーデンのファサード(同C部)及び屋根(同D部)の4種類に分類される。

ウィング外部側の高性能ダブルスキンは、最外部に高透過合わせガラスを配し、内側に高透過合わせLow-E3層ガラスがはめられた木製サッシという構成になっている。ダブルスキンの間には、ブラインドが設置され必要に応じて日射遮蔽ができる。また外部側ファサードには、スリットが開けられ溜まった熱は屋外に排出される。このような工夫により、ファサードの断熱性能は0.8W/平米Kと高い数値を確保している。

ウィンターガーデンでは、外部側ファサードと屋根の両方に高透過強化Low-E複層ガラス(1.2W/平米K)が用いられている。

なお、このウィンターガーデンのガラス屋根は一部がパサージュにも食い込んでいる。ただし、パサージュは居住空間であるため、拡散光は通すが直達日射は完全に遮る(方角によって異なるが流入日射熱を9~30%までに減らす)ことができる特殊プリズムを組み込んだガラスが採用されている。

ウィングのウィンターガーデン側ファサードは、ダブルスキン部分と同じように木サッシである。使用ガラスは高透過強化Low-E複層ガラス(1.2W/平米K)であり、ウィンターガーデンのファサードがあるため結果的に執務室と屋外との間にはダブルスキン部分と同様に2重のファサードが介在している。これによって断熱・遮音性能を確保し、快適な空間をつくっている。このサッシは自由に開閉でき、さらに内側にロールスクリーンが設けられているので、必要に応じて換気や通風、眩しさ低減をはかれる。

このようなファサードと高性能ガラスによって、LACでは断熱性能U値(熱貫流率)は0.8から1.2W/平米KとASHRAE(アメリカ冷暖房空気調和技術者協会)によるオフィスの室内環境評価基準の約半分ほどで極めて小さい、また、執務空間に入る日射の侵入率は許容値よりもアトリウムで40%、ダブルスキンは60%も低くなっている。この結果、執務空間は年間180~200日以上は人工的な冷暖房を必要としないという。エネルギー消費はASHRAEの推奨値よりも33%少なく、欧州の通常の建物と比較してエネルギー消費を約1/3までに減らしている。

写真:A部(ダブルスキンファサード外観)
A部(ダブルスキンファサード外観)

写真:A部(ダブルスキンファサード内観)
A部(ダブルスキンファサード内観)

写真:B部(執務室ウィンターガーデン側ファサード)と、D部(ウィンターガーデン屋根)
B部(執務室ウィンターガーデン側ファサード)と、D部(ウィンターガーデン屋根)

写真:B部(執務室ウィンターガーデン側ファサード)
B部(執務室ウィンターガーデン側ファサード)

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