3次元空間をつくる
~LACのファサード構造

写真:LAC、ウィンターガーデンのファサード構造
LAC、ウィンターガーデンのファサード構造

写真:ウィンターガーデンのファサードガラスを留めるH型金具
ウィンターガーデンのファサードガラスを留めるH型金具

LACは、大きくは3つの曲面からなっている。まず、第一の曲面が増築後も含めた建物全体の長手方向屋根のラインを形づくる半径4583mの曲面、ついで短手方向の半径2000mの屋根ライン、そして各ウィングおよびウィンターガーデン屋根の半径500mのアーチである。

ウィングの屋根はRCシェル、ウィンターガーデンの屋根はガラス張りである。上に凸の曲面屋根は、飛行機の翼と同じように強風時には揚力が発生するため、構造解析が難しかったという。

また、ウィンターガーデンの複層ガラスEPG構法のファサードを実現するためにも、高い構造技術が必要であった。このファサードは高さ約20~26m・幅約19mにもおよび、頂部に設けられた鉄骨アーチと地盤面との間に2本組となったワイヤー群を張り、そこにガラスを留めるH型金物を取り付けるという構成になっている。この2本のワイヤーが連携して引っ張りに抗するとともに、テコの原理を用いて変形に対応している。