パサージュとウィング
~明快で交流を生む空間構成

画像:LAC 6階平面図
LAC 6階平面図

延べ面積約63,000平米と巨大なLACだが、その構成はシンプルで分かりやすい。細長い建物の背骨にあたる部分を「パサージュ」と呼ばれる幅8mほどの中央通路が貫き、そこに6~7層の執務空間「ウィング」とウィンターガーデンが交互に取り付いている。

全ての動線が集中するパサージュには階段が設けられた三日月状の吹き抜けがあるため、行き交う人々は必然的に視線を交わす。また、ミーティング・ポイントと呼ばれるスペースと会議室を設け、働く人々が自然に交流できるよう計画されている。

インゲンホーフェンは、そうした建築的仕掛けを設けて偶然の出会いを誘発し、「普通ならば互いに知らず、一緒に働いているかも分からない人々が出会って意見交換する」ことを目指したという。大組織で生じがちな縦割りの企業文化を建築面で革新しようとしているのだ。

写真:LACのパサージュ
LACのパサージュ

写真:LACのパサージュ