建築がめざすもの
~サステイナビリティ
LACのウィンターガーデン
コメルツバンク(コンペ応募案)
森を監視するように
私が、ずっと念頭においていたのはサステイナビリティの思想です。ドイツ語では、この概念を“Nachhaltigkeit”と言いますが、これは元々、持続的に森林を管理するという意味で、英語のサステイナビリティよりも古くから用いられていました。つまり、建築家は、よい森の監視人のように、地球の資源を浪費しない建築を目指すべきものでありましょう。
サステイナビリティと外皮
そうしたサステイナブルな建築に挑戦するために第一にすべきことは、ファサードのデザインです。生物において内外のやりとりをする皮膚が大事なと同様に、サステイナブルな建築において外皮はたいへん重要なのです。だから、建築においては、表面積をできるだけ小さくしながら容積を確保し、豊かな内部空間をつくるべきと考えています。
バッファー空間
~人工と自然の間に位置するもの
建物は、エネルギー消費を最小化しつつ、光や風をなるべく取り入れられるようにつくられねばなりません。建築と自然とは、遮断されてはならないのです。だからウィンターガーデンのように光や風を取り入れる部位を、私は「第2の皮膚」と呼んでいます。このようなバッファー空間があるために、私が設計した建築群ではエネルギー消費を最小化できています。