スペースモデュレーターレポート
No.5 2005 汐留住友ビル
──「空・間」が実現した建築

「空間」を空につなげるために   ── 巨大で透明なアトリウムを実現する技術

アトリウム・エントランスの全景
photo by Shinozawa Hiroshi
歩行者デッキから見るアトリウムファサード夜景。
photo by Shinozawa Hiroshi
全てフロート板ガラスで

設計者から、“このアトリウムではフロート板ガラスに徹底したデザインにしたい”との提示があり、全てをフロート板ガラス(合わせ)とすることに挑戦した。
フロート板ガラスだけを使用することで以下のことが実現できた。

  1. ゆがみを最小限とした
  2. 強化ガラスでは不可能な長さ6.4mも可能とした
  3. 面ガラスを長くし水平ガラス耐風梁を2階層ごとに出来た
  4. コストを抑えることができた

もちろん、安全確保のための工夫──ガラスと金物の接合部を「挟み込み」「差し込み」「巻き込み」などの方法としたり、地震時に違った挙動をする柱とガラス面に対応すべくピン接合とローラー接合を採用したなど──は様々に行っている。
なお、面ガラスは、外部側に配したリブガラスで2辺支持され、上下辺は突き合わせシールだけの納まりとなっている。

アトリウム・カーテンウォール詳細図

前頁へ 次頁へ

目次
│スペースモデュレーターレポート──│No.1No.2No.3No.4
スペースモデュレーターご感想
アーキテクチュラルグラスガラスワンダーランド