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Post Tower ── その美と構造
空に溶け行く透明なタワー

Photos by H.G.Esch, Hennef

ポストタワーには、ライン川の風景や近隣の建物との調和への配慮や、威圧感を与えないことが望まれた。もちろん、現代のオフィスビルとして不可欠な快適な空間や機能も必須であった。

そこで考えられたのが、2つの薄い半レンズ様平面形をもつ透明なガラスタワーを、間にオープンスペースを介しずらしてつなげた高さ162.5mのスリムな高層棟と、低層棟からなる現在の形である。

41階建ての高層棟は執務スペース群で,3階建ての低層棟には食堂と一般向けサービス部門・諸会議室が配置されている。

ラグビーボールのような平面形なので見る方角によっては幅広になったり細くなったりする高層棟の向きは、伝説のある7つの山々「ジーベンゲビルゲ」の方角と、風洞実験によって決定された。

2つのタワーの間には、スカイガーデンと呼ばれる大吹き抜け空間が貫き、ガラスフロアしかないため、視線は天空に抜ける。頂部がファサードが伸びてガラスのみのフェンスとなっていることもあって、あたかも空に溶けていくように見える。

(文責 編集部)