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Large-scale architecture and strength
マキシマムの美学:バイエル新本社

バイエル本社 南側ファサード Photo by J.Carp.
巨大な弧を描く呼吸する壁
──バイエル本社
全長約180mに及ぶC字形のオフィス棟の中ほどに、やや変形した台形状のエントランスホールが食い込む平面プランの建物で、国際的な企業グループ、バイエル社の新本社ビルである。

C字形状のオフィス棟の建物躯体は、RC造の柱ー床梁構造からなり構造壁はほとんどない。格子梁の屋根は円柱の上に載せられ、その下の部屋の用途に応じてパネルまたはガラスで覆われている。

エントランスホールも同じ格子屋根だが、ピン接合の柱で支えられ、屋根仕上げはセラミックスプリントされた複層ガラスである。

オフィス棟のファサードは全周ダブルスキンで、ポストタワーと似た構成だ。
南側は傾斜ガラスによる下見板状に、円弧外面の北側は垂直になっている。ファサードは、各フロア下端とファサード最上部で開閉でき、必要に応じて自然換気できる。

エントランスロビーではファサードガラスの自重はテンションケーブルで屋根から吊られ、水平力は床面に設置されたバネが鉛直に引っ張り担っている。

エントランス前のパーゴラにはポリカーボネイト偏光板が取り付けられ、多彩な光をはなっている。

(文責 編集部)