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Large-scale architecture and strength
マキシマムの美学:ブレーメン大学中央ホール

ブレーメン大学中央エントランス、外観 Photo by Andreas Keller, Altdorf
力が見える空間
─ブレーメン大学中央ホール
中央ロビー兼情報センターとして、既存建築に覆いかぶせてつくられた建物(設計:オルソップ・シュトゥーマー)である。新設部は壁・屋根ともにガラスで覆われている。

シンプルな直方体だが、その2面はほとんどが既存建築であるだけにホール部分の透明性・軽やかさは重要だ。

主要構造体は、V字型鋼管柱と格子状鉄骨屋根である。
水平力は、長手方向では既存建物と屋根の間の2つのX型ブレースが、短手方向ではファサードを支えるテンションケーブルとV字柱の組み合わせで構成される大きなトラスが担う。

ファサードは、屋根梁から地面に張られたケーブルが主構造である。
ガラスはケーブルに固定された支持金具によって角部分で支持され、ガラス目地は可変性の高いガスケットで処理されている。

建物コーナー部は水平力に剛なトラス構造で、フラットな面とのジョイント部には、ガラスリブ間にモヘアをつけてエキスパンションを取っている。

こうした工夫により、挙動の違う既存建物に透明度の高い空間をスマートに付加できている。

(文責 編集部)