新たな展開をみせるベルリンのガラス建築──その背景と技術


DG銀行 高透過ガラスで多層に構成されるガラスフロアー
Photo by Ikeuchi Seiji

 

ハーレンジーシュトラーセの事務所ビル。花崗岩に見えるスパンドレル
Photo by Ikeuchi Seiji
ベルリンの建築を構成するガラス
ガラスの特徴と動向
ベルリンのガラス建築は、省エネルギー性能が高く、安全性も考慮した高性能複層ガラスで構成されている。また、Low-E複層ガラスで断熱性と日射遮蔽など性能を向上させながら透明性も高めている点に特徴がある
Low-E複層ガラス
複層ガラスの空気層側に透明金属膜を施し、遠赤外線の放射エネルギーを反射させて断熱性を高めたガラスで現在ドイツでは新たな開口部の90%に普及している。日射をよく透過する「高透過高断熱タイプ」と日射を遮蔽する「高遮熱高断熱タイプ」がある
ドイツのビル建築には後者の高遮熱タイプが一般的で、断熱性を高めるため複層ガラスの中間層にアルゴンガスを封入することが多く、ソニーセンターのようにクリプトンガスの例すらある
高透過(白板)ガラス
ドイツでは外光確保のため、オフィスなど居室の奥行きが窓面から6m程度で規制される。このため、建物は薄く細長い平面にするか中庭が必要で、最近はアトリウムが急増している
層間区画―スパンドレル
厚くなったり多層になって緑色が強くなることを避けるため鉄分を0.01〜0.02%程度に減らしたガラスで、最近のガラス建築では一般的になりつつあり、連邦議会議事堂のガラスドーム、DG銀行のアトリウムやガラスフロアなどの例がある
セラミックスプリントガラス
ガラスにセラミック系釉薬をスクリーン印刷し加熱焼成したガラスで、日射遮蔽や意匠性、プライバシー確保性能に優れている。証券取引所、ソニー・ヨーロッパ本社、ハーレンジーシュトラーセの事務所ビルやギャラリー・ラファイエットのような例がある
(概要文責 編集部)


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