ガラスに関する法規と設計 |
● | ドイツの建築法規
ドイツの建築関係の法体系は、地方分権的だが防火法規など日本と似ている点も多い。一方、省エネルギーや居住環境の向上、ガラスの安全性など時代のニーズに応えた新しい基準を設けている
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● | 省エネルギー──断熱(遮熱)条例
ドイツでは建築確認申請に断熱計算書の提出が必須だ。最初は断熱性能だけを規定したが、1995年の改訂で開口部関係の規定が変わり、高断熱Low-E複層ガラスが必要となった
一方、太陽光による暖房効果を性能に加算できるようになり、南面などで大開口窓が採用されやすくなった
また、冷房など空調設備があるか、窓面積が外壁面積の半分以上の建物は、窓面日射熱取得率を0.25以下制限する基準があるため遮熱Low-E複層ガラスが採用されている例が多い |
● | 自然採光とアトリウム
ドイツでは外光確保のため、オフィスなど居室の奥行きが窓面から6m程度で規制される。このため、建物は薄く細長い平面にするか中庭が必要で、最近はアトリウムが急増している |
● | 層間区画―スパンドレル
ドイツの最近のガラス建築には床から上階スラブ下まで全面ガラスで透明感の高い例が多いが、実は日本同様に高さ1m以上の層間区画などが義務づけられている。ただしダブルスキン内のスラブが庇とみなされるなど、実利的に運用されている |
● | 防火区画―遮熱ガラスによる透明耐火壁
屋内の防火区画は日本以上に厳しく、特に避難通路周辺は常時閉鎖が原則である。高さ1.8m以下では遮熱性が必要でけい酸ソーダを積層した防耐火ガラス「パイロストップ」による透明耐火壁が普及している |
● | 耐火建築の屋根―トップライト
ドイツではトップライトで一般には防耐火制限はなく軽快なガラス屋根構造が可能だ。トップライトから火炎が噴出した際に周辺窓に炎が侵入するおそれがある場合のみ規制があり、パイロストップなどが使用される |
● | ガラスの安全対策
ドアやドア周辺、通路などでは強化ガラスや合わせガラスなど安全ガラスを使用するよう規制が欧米では以前からある
また、トップライト下面や床面近くまでの大開口、フレームレスの手摺などは合わせガラスが義務づけられている |