新たな展開をみせるベルリンのガラス建築──その背景と技術


デビス本社西側インテリジェントファサード 日射を防ぐのみでなく、時には巨大なスクリーンに
Photo by Ikeuchi Seiji
ベルリンの透明建築
きわだつガラス建築
ベルリンの新しい建築の多くは最先端のガラス建築である。連邦議会議事堂、ソニーセンター、ダイムラー・ブロック、ベルリン証券取引所等など、有名建築の多くがガラスを使いながら、個性的な表現を実現している
なぜベルリンでガラス建築か
“冬寒く夏は湿度が少ないが強い日差しのある気象、エコロジーを重視する国、石造りの建築が並ぶベルリンで、なぜガラス建築が多いのか?”と聞くと「デザイン上モダンで設計者が好む」「採光で省エネルギーになる」「ガラスはメンテナンスフリー」といった常識的な回答だ。ただ高性能Low-E複層ガラス等によりガラス建築が加速している点は間違いない
ベルリンの気象とガラス
ベルリンの建築は冬をもって旨とするのか?
ベルリンは北緯52°28′に位置するが、海洋性気候により、1月の平均気温が-0.2℃、7月の平均気温が18.8℃と比較的温暖だ。冬は重視すべきだが、夏の平均気温はロンドンやパリよりも高い
夏の強い日射と内部発熱の増加
夏は湿度が低くさわやかだが、長く照る西陽対策は必須だ。さらにオフィスビルでは、OA化の進展などで発熱機器が増えているため、冷房を設置するのが一般的だし、中間期でも空調・換気の必要性があり、ファサードの設計が重要なファクターになる
ベルリンのガラス建築のコンセプト
こうした気象環境では、壁面を多くし開口部を小さくするのが確かに省エネルギー上有効だ。しかし、自然光や眺望を重視し、ガラスの高性能化につれて、開口部が大きく透明なガラス建築が注目されてきている
断熱・遮熱性能を高くする一方で、環境制御技術や高機能ガラスとダブルスキンなどを組合わせた「インテリジェント・ガラスファサード」によって太陽熱を活用をしているのが、ベルリンのガラス建築である
(概要文責 編集部)


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