POST構造主義宣言

山崎泰孝

 

 
 

美しさや環境への配慮などのある建築を実現するためには、理念・目的と、実現のための技術が一体である必要がある。

ドイツで構造設計者として活動しつつ、建築・家具づくりや新素材探求をしているヴェルナー・ゾーベック教授は、盟友ヘルムート・ヤーンと共に、Architecture とEngineeringという2つの語を融合したArchi-Neeringという言葉をとなえており、技術と一体化した建築のありようを示している。

単に建築と技術が合わさっただけでは、人間にはたらきかける“ある空気”をつくりだすには不足である。

しかし、ゾーベック教授のArchi-Neering の思想は、単に建築の構造を見せつけることや技術を重視するのではなく、建築の本来的な役割やあり方の骨組みとなるフォルムとしての構造を根源的に問い直す。すなわち、構造主義的な考え方を脱した思想のフォルムをつくりだそうとしている。

 

 

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(概要文責 編集部)


 

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