「ユニバソロジ」の展開──日本科学未来館のめざすこと


東側外観 Photo by Aoki Tsukasa
 
科学技術理解増進促進拠点として

科学技術創造立国に不可欠な科学技術の理解増進の拠点が、この日本科学未来館である。

その理念と位置づけ

静的な展示施設ではなく、科学者・技術者・利用者が互いに「交流」しながら成長する「運動体」の役割が期待されている。

MMコンセプト

日本科学未来館館長の宇宙飛行士・毛利衛は、科学的方法論を日常の中にとり入れて「時間や空間のスケールを相対的に変化させて現実の社会にあてはめてみる」【ユニバソロジ的なものの見方】が、未来を考えるために不可欠だという。
そして以下のような「MMコンセプト」を提示している。(毛利衛著『宇宙からの贈り物』より)

  1. Movement:単なる「箱」ではありません。進化する「運動体」です
  2. Mobile:不動で自閉的な館ではありません。柔軟性を持った、携帯しうる「知のツール」です。
  3. Media:それ自身が目的ではありません。新しい科学技術文化を創造するための「触媒」です。
  4. Meeting:境界がありません。新しい出会いの場、英知の交差、交流点です。
活動の方針

日本科学未来館の基本方針は、

  1. 第一線の科学者が中心になって構想し、監修する。
  2. 科学技術を人の活動として捉え、科学技術と社会のかかわりに焦点を当てる。
  3. 背景にある思想や自然観も含めて科学技術の姿を探る。
  4. 科学技術を理解しやすいような方法を工夫する。
  5. これからの社会と科学技術との関係を考える視点を持つ。
であり、シンボル展示以下、4つのテーマからなる特徴的な展示がされている。

柔軟で開かれた空間──建築について

日本科学未来館の建築には、開放的で情報発信出来ること、様々な出会いが生まれる空間であること、頻繁に行われる展示物の更新・移設に対応できることなどが要求された。

(概要文責 編集部)


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