光と風の中で出会いを

櫻井潔
さくらい・きよし
1950年 神戸市生まれ 1976年 京都大学大学院修士課程修了 1976〜 日建設計 現在、常務執行役員、東京副代表
主な受賞歴
1997年に日本建築学会作品選奨賞を「コナミ那須研修所」(「新建築」9601)にて受賞
1999年に日本建築学会作品選奨賞を「東葛テクノプラザ」(「新建築」9810)にて受賞


スルーホールを下から見る
Photo by Aoki Tsukasa
スルーホールの建築

最先端の科学技術が体験でき、人々が出会う光景が外部にもそのまま伝えられて街の活き活きしたイメージを創り出すことがこの建築のポイントだった。多様で常に先端となる展示物のため、展示スペースには最大のフレキシビリティが必要だった。しかも単に展示品を見るだけではなく体験や研究を見せることが求められていた。

これらの条件を解決したのが“スルーホール”の提案である。

フレキシブルな展示を許容する大スパン無柱空間の南北両側に動線・交流スペースと貸し研究室スペースを配置し、それぞれのゾーンの間に2列計10カ所の小さな屋外ボイド空間を差し込んだ。
各階を結び、光と風を引き入れ、インフラの可変スペースともなり、さらに思いがけない視線の交流をも可能とするこの空間システムを、半導体チップの各レイヤーの接続機能にちなんで“スルーホール”と名付けた。

(概要文責 編集部)


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