地域密着の小規模老人ホーム──グループホームことぶき園の実践

槻谷和夫
ことぶき福祉会理事長



図版提供:ことぶき福祉会
何故小規模老人ホームをつくったのか
私は、11年間、特別養護老人ホームに勤めており、お年寄りから「生まれ育った地域に帰りたい」という声を聞き、50名以上の大集団の十把一絡げ的で規則の多い生活を見てきた
より家庭に近い6〜8人程度のホームこそ、気心の知れた、安心できる生活が保障できると思い、「地域密着」で「小人数のケア」の老人ホームを開設した

実践の中でわかってきたこと
生まれ育った、あるいは自宅の近くにあるため、家族や地域の人々と交流し、地域に支えられるホームとなっている
小人数だから、利用者と職員が共に生活することが可能となった。掃除、洗濯、食器洗い、食事づくり等々、生活の主人公は利用者の皆さんだ
痴呆性のため家庭や病院で大声を出していたり夜寝られなかった人が、夜ぐっすりと睡眠薬なしで、静かに寝られるようになった

今後の課題
当初は全く公的援助のなくスタートしたが、少しずつ公的援助が多くなり、いよいよ小規模入所事業が、国の制度として実施されることになった
今後、グループホームが増えることを願うとともに、痴呆性の人々だけでなく身体障害や1人くらしの方等々も対象としたものとして発展し、どんな障害を抱えようとも、住み慣れた地域で暮らし続けられるシステムをつくっていきたいと思う

(概要文責 編集部)

ことぶき園データ


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