大阪市立自然史博物館 岡本素治
1947年宇部市生。大阪市立自然史博物館主任学芸員・植物分類学
著書は『日本の植物──研究ノート』『植物の自然史──多様性の進化学』他



0:オリエンテーションホール
1:第1展示室 2:第2展示室 
3:第3展示室 4:第4展示室
5:特別展示室 6:講堂
7:普及センター 8:管理諸室
9:収蔵庫

「自然史」とは
自然科学の発達が自然自体を危うくしている現代、自然の多様性を尊重する立場が重要である。そこで自然界および自然と人間の関わりを歴史的見地から理解するため、本博物館は、一般には博物学と訳される"Natural History" を直訳した自然史博物館と名乗った。

展示の概要
都会の自然から始まり郊外に広げると共に、現在から過去に遡っていく展示計画で、第1展示室「大阪の自然」、第2展示室「地球と生命の歴史」と続く。そして第3展示室「生物の進化」を経て、第4展示室「自然のめぐみ」で、自然を未来に残さねばならないことを訴えて締めくくっている。
特別展示室では、大阪市内の各地域に即して自然と人と生活を多様な角度から見せる展示と、各学芸員の研究分野の特別展を行う。
展示の手法は、基本的に具体的な物の展示である。映像などを使う展示は物を説明する手段としては有効だが、そればかりなら博物館に来ることはないからだ。

建築の概要
オリエンテーションホールに面して、常設展示室と特別展示室、講堂、普及センターがある。収蔵庫は2・3階に、学芸員の研究室や実習室・集会室および管理諸室は、別ウィングにある。

博物館の事業
調査研究事業を中心に、展示、資料収集保管、普及教育の事業を行なっている。
このうち普及教育活動では、大阪の市民と一緒に考えていくため、野外観察会や、自然史講座、標本同定会などを行う。こうした折りに資料標本を収集したり、市民の質問で問題に気づくなど、調査研究や収集保管活動へのフィードバックもある。

大阪市立自然史博物館の課題
満杯に近い収蔵庫、欠けている専門分野など、当館の課題は多い。何より重要な課題は、1)蓄積してきた自然史資料をもっと有効に活用できるシステム・設備の構築、2)それを基に大阪の具体的な地域の自然を展示し、地元の自然について市民とコミュニケーションできる場をつくること、3)展示や行政への提言を通じて人と自然のあるべき姿を明確に打ち出していくこと、であろう。設立50周年となる平成12年を目標にリニューアルに取り組んでいる。

(概要文責 編集部)

大阪市立自然史博物館データ
大阪市立自然史博物館ホームページ


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