もしくは消滅する領域へ |
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1995年ベネチア・ビエンナーレ日本館コミッショナー 著書『現在美術』等 URL ADDRESS :http://www.justnet.or.jp/home/jext/ |
「日本美術館」建築モデル by 隈研吾 photo :CIAM International |
以前、東京都心の「汐留跡地日本美術館構想」を発表したが、そのねらいは、都市機能の一部として、現代美術を活性化させる啓蒙・実践・伝達作業を日常的に果たせる内容を伴っていることと、「アート」の今後の変化に対応できることだった。 「日本美術館構想」では、ポンピドー国立文化センターで実現された、美術館を一要素として含みつつ、より「大衆性」をもって開かれ、日常生活の中で通過していく人も施設内に巻き込む「交通」や速い速度で展開する「現在美術」に対応する「仮設性」といった機能に、「通信」という機能──さまざまな情報を集約し、加工し、発信する能力──を追加した。 80年代まで社会の実験室であったアートは、90年代には社会で行われた実験を加工展開するフィールドへと変化しつつある。 風俗や、ファッションをアートの範疇に含める考えも一般化しつつある。これからは、美術という領域や作品価値の構築作業よりも、「美」という感性の探索に、より大きな労力が割かれるだろう。 |